ピラティスの健康への効果について科学的根拠を基にした多数の研究論文の中から抜粋したものを記載しております。

世界中の多くの研究者が日々、ピラティスエクササイズの効果、効用についての、科学的かつ論理的なアプローチによる研究結果を発表されています。

2021年 ピラティス論文

【研究論文】ピラティスエクササイズが高齢女性の幸福と、うつ病に及ぼす影響:臨床試験研究

高齢者の精神的な問題を軽減するために運動が有効とされている。

ピラティスは、ここ数年で多くの注目を集めているエクササイズであり、本研究では、高齢女性のうつ病と幸福レベルに対するピラティスの影響を調査するために実施された。

このランダムな試験は、イラン南部のラフサンジャーン市の保健センターで紹介された60人の高齢女性を対象に実施されました。

研究調査の対象となる参加者はピラティスを毎週3回のピラティスエクササイズを8週間継続して実施した。

研究調査対象となる参加者の幸福レベルは、「オックスフォード幸福指標(OHI)」を使用して測定され、

うつ病については、ピラティスエクササイズ実施前、実施後1か月、および実施後2か月後の「ベックうつ病指標(BDI)」を使用して測定されました。

結論として、

研究分析結果では、ピラティスエクササイズを8週間実施すると、高齢者の「うつ病」と「幸福度」にプラスの影響を与える可能性があることが明らかになった。

参考文献:

The effect of Pilates exercise on the happiness and depression of elderly women: a clinical trial study

【研究論文】妊娠と出産における出産トレーニングの有無に関わらないピラティスエクササイズの効果の比較

妊娠中における出産トレーニングプログラムは、多くの国で注目を集めています。

この研究の目的は、出産トレーニングの有無にかかわらず、実施されたピラティスエクササイズの妊娠と出産への効果・影響を調査実施した。

64人の妊婦を対象にグループを3つに分け、臨床ピラティス運動トレーニングは週2日8週間実施した。また、出産トレーニングは週1日4週間実施された。

評価方法としては、妊娠中の体重増加、分娩期間が記録され、分娩中の痛みの強さは、視覚的なアナログの尺度で評価された。

妊娠中の不安に関しては、State-Trait AnxietyInventoryで評価された。

結論として、科学的調査分析結果より臨床におけるピラティスエクササイズを適用した出産トレーニングが妊婦とその出産結果にプラスの効果をもたらしたことを示しました。

参考文献:

The comparison of the effects of clinical Pilates exercises with and without childbirth training on pregnancy and birth results

2020年 ピラティス論文

【研究論文】肥満の若い女性の血管機能と体脂肪に対するマットピラティストレーニングの効果

マットピラティストレーニングは世界中で広く支持されているが、人間の血管機能と体の組織への影響​​は、現在まで十分に研究されていなかった。

本研究では、高血圧の若い肥満女性の血管機能に対するマットピラティストレーニングの効果を調査・研究がされた。

結論として、マットピラティストレーニング後の被験者の血中成分等の科学的ファクトを基に、高血圧の若い肥満女性の動脈硬化、大動脈血圧、等の疾患リスクへの改善可能性が示唆された。

参考文献:

The Effects of Mat Pilates Training on Vascular Function and Body Fatness in Obese Young Women With Elevated Blood Pressure.

【研究論文】精神障害患者に対する30分間のヨガとピラティスのシングルセッションの効果

研究結果として、

ヨガとピラティスの30分のトレーニングにおいて、精神障害コンディションの安定性が向上した。

ヨガとピラティスは、精神障害に対する治療としての有効な選択肢になる可能性があることが示唆された。

参考文献:

Effects of 30-minute single sessions of yoga and Pilates on frailty in patients with psychiatric disorders: A pilot randomized controlled trial

【研究論文】ピラティスエクササイズを用いた腰痛の管理 :RCTsにおけるContent exercise reportingの評価

成人の腰痛治療のために、ピラティスメソッドによる運動介入の質を評価した。

研究の結論として、

腰痛の管理のピラティスエクササイズによる画一的な方法による完全なコントロールは研究としてはまだ不十分である。

ピラティスエクササイズプログラムは、個々の参加者に合わせてパーソナライズおよびコンテキスト化する必要があると述べている。

今後の研究として、様々な研究試験を重ね、得られた結果と情報組み合わせるながら、完全なコントロール方法を検討する必要があると結論付けた。

参考文献:

The management of lower back pain using pilates method: assessment of content exercise reporting in RCTs

2019年 ピラティス論文

【研究論文】過剰体重/肥満の人に対するピラティスと有酸素運動の効果

研究は、肥満の人の心肺機能、筋力等へのピラティスと有酸素トレーニングの効果を検証および比較することを目的として実施された。

結論として、

ピラティスエクササイズは、心肺フィットネス、体組成、および機能テストのパフォーマンスに大きな影響を与えるため、太りすぎの方の身体トレーニングとして有効性が確認された。

特に腹部の筋力向上、および心肺機能向上による、酸素摂取量の向上、脂肪減少が研究結果として明らかになった。

参考文献:

The effects of Pilates vs. aerobic training on cardiorespiratory fitness, isokinetic muscular strength, body composition, and functional tasks outcomes for individuals who are overweight/obese: a clinical trial

【研究論文】ピラティスメゾッドによる心肺機能の向上

結論としては、通常の健康な人と有酸素能力に関連する障害を持つ人の両方で研究調査を実施し、ピラティスエクササイズが研究結果の科学的数値を基に心肺機能向上について貢献していることが明らかになった。

この向上効果がどれくらい長期期間継続するのか、さらにファクト検証等の研究を継続する必要があると述べている。

参考文献:

Pilates Method Improves Cardiorespiratory Fitness: A Systematic Review and Meta-Analysis

【研究論文】バレリーナの多裂筋と内腹斜筋の神経筋効率に対するピラティスマットエクササイズの効果

バレエダンサーには、体幹の筋肉を強化し、パフォーマンスを向上させ、怪我を防ぐための体力トレーニングが頻繁に示されています。

ダンサーがピラティスのエクササイズから体幹の筋肉を安定させ、関節の安定性と神経筋効率を改善することを研究調査を実施した。

研究内容としては、8週間のピラティス運動前後の健康な24歳のクラシックバレリーナの内腹斜筋と多裂筋の神経筋効率と等尺性筋力を評価することを目的とした。

筋電図とダイナモメーターを使用して筋肉をテストし、神経筋効率を計した。

科学的結果に基づいて、ピラティスのエクササイズは、筋肉の神経筋効率を改善する可能性が明らかになった。

参考文献:

Effect of Pilates Mat Exercises on Neuromuscular Efficiency of the Multifidus and Internal Oblique Muscles in a Healthy Ballerina.

参考コラム:

バレエピラティスの相乗効果について

【研究論文】女性の睡眠の質、不安、うつ、疲労感に対するピラティスの効果

ピラティスエクササイズの運動プログラムが、スペインの60歳以上の閉経後女性の睡眠の質、不安、うつ病、倦怠感に及ぼす影響を分析する研究が実施された。

睡眠の質と倦怠感は、それぞれピッツバーグ睡眠の質の指標(PSQI)と倦怠感の重症度スケールによって評価分析され、

不安とうつ病は、病院不安抑うつ尺度(HADS)を使用して評価分析された。

結論として、

スペインの60歳以上の閉経後の女性において、12週間のピラティスエクササイズを継続実施することで、

睡眠の質、不安、うつ病、倦怠感に有益な効果をもたらすという研究分析結果が明らかになった。

参考文献:

Effects of Pilates training on sleep quality, anxiety, depression and fatigue in postmenopausal women: A randomized controlled trial

ピラティスに関する臨床心理士コラム

運動が心に与える影響

近年心の健康を心配される方が増え続けているといいます。

科学や文明は発達して便利になったはずなのに、時間に追われ、忙しく過ごす生活をサれている方も多いのではないでしょうか?

それと共に、

「なんだか気持ちが沈む」

「不安に悩まされる」

といった心の不調も増えているのです。

それに対応するにはどうすればよいのでしょうか?

色々な文献などを調べてみると、共通しているのが運動です。

その理由について、進化の過程を辿っていくと見えてきます。

人間の脳は、原始時代からほとんど変わっていないそうです。自然の中で生活し、何かあれば咄嗟に反応して動いて危険を回避していました。

自ら狩りをして獲物を収穫できなければ食べるものがなく、常に飢餓という危機に耐えられるように、できるだけ高い栄養のものを選んで食べるようにプログラムされています。

次に、食べ物が手に入るのはいつになるのか、わからないので、目の前に食べ物があればおなかいっぱいに食べられるだけ食べておこうとするのです。

脳の仕組みは、原始の頃と同じなのに、環境が大きく変わってしまったことで、私達は不調を訴えるようになったと考えると、腑に落ちるところがあると感じます。また実際に、研究もなされ、明らかになってきています。

運動量は減り、食べる量が増え、24時間、明りが灯り、睡眠時間が短く、体内リズムがくるうということが私達の身体に大きな変化をもたらしたということです。

その解決策のひとつが、運動なのです。

身体を動かすことで、不安が軽減したり、記憶力や認知機能が向上するなどの報告が上がっています。

運動は、ウォーキングやストレッチ、ダンスなどで様々な研究で効果が示されていますが、どんな運動でも、ある程度の負荷があれば脳に良い影響があるということです。運動のレベルは「軽く行きが上がるくらい」から「へとへとになるくらい」までの範囲、1回のセッションで45分~60分くらいの運動を週2回程度のようです。

ストレス対策だけであればそこまで時間をかける必要はなく、短時間のストレッチなどでも効果があると言われています。

自分が楽しく体を動かせることは何なのか?

どんな目的で合わせて、どんな運動をするのか?

選んでいけばいいということになります。

人間の循環器系や筋肉は脳の神経と繋がっているので、運動をしないことによって脳神経と体のつながりが弱まり、連携がとれなくなってしまうのです。

運動には、脳と身体のつながりを取り戻す作用があるということですから、この仕組みを活用することが大切だということです。

一方で、筋力をつけたい、体型を整えたいという目的で運動する方もいらっしゃるでしょう。

トレーニングのひとつであるピラティスは、1回45分から60分程度、週2回のレッスンで身体の変化を実感される方が多いようですが、前述の内容をみると、レッスンを継続することで心と身体の変化を期待することができそうです。

体感を鍛えるというイメージがありますが、実は体幹を感じる(Core Sense)ことが、とても大切なのです。

体幹を感じることができれば、身体をコントロールしていくことができるようになってくるからです。

例えば、カウンセリングに来られるような、不安の高い人でも、バランス課題をやってもらうと、うまくできる方が少なからずいます。

しかし、「最近、身体を動かしていますか?」と、お聞きすると、

ほとんどの方は「まったく運動をしていません」と回答されます。

心と身体がつながっているとすると、気持ちが不安定であればバランス課題もうまくできないのではと思っていたのです。

つまりここで大切なことは、バランス課題ができる、できないのではなく、体幹を感じられて、身体を自分でコントロールして使うことができているかということなのです。

バランスはとれていても、まっすぐに身体を保とうとして骨盤をずらして立っていたり、首や肩に必要以上に力を入れてしまっているということは、誰にでもよくあることです。

でも本人からすると、ほとんど無意識に力が入っているだけなので、気づかないまま、身体の使い方のクセになっているのです。

身体をコントロールするためには、身体の感覚がなければできません。

このままでは自由に心地よく身体を動かすことは難しくなります。

肩をまっすぐあげるというシンプルな課題でさえも、腕や首等に力がはいってしまい、肩だけを動かすことはなかなか難しいのです。

トレーニングの中で、トレーナーの方がここの身体の状態を把握しながら、身体の動きや筋肉を使うことを意識できるようにフィードバックしていくことで、自分のクセや苦手なことに気づき、今まで意識したことのなかった筋肉を使おうと試みることができると、少しずつ身体への感覚が育ってくるのです。

そうすると、身体のコントロールが少しずつできるようになってくるのです。

実際のトレーニングを受けていると、うまくできない課題や、苦手な動きがでてくるかもしれません。

自分の身体のクセは、実は心の在り方や考えのクセと似たところがあります。

一生懸命に頑張る人は、肩が力んだり、背中を張り詰めている方が多いのです。

筋力の弱い箇所の代わりに他の部位で補おうとすることは、合理的ではありますが、一方で、本来持っている力を発揮しないまま、眠らせているかもしれないのです。

うまくできない時に、「できない自分」に向き合うためには多くのエネルギーが必要です。

やらないことを選択することもできます。

しかし、そんなときに、そっと寄り添い、適切な量と方法でサポートしてくれる人がいたらどうでしょうか?

また、同じように頑張って取り組んでいる仲間の姿が目の前にあったらどうでしょう。

それがレッスンを受けるメリットのひとつでもあるでしょう。

身体を動かして、少しずつ身体の感覚がつかめるようになり、できなかった動きができるようになってくる体験を積み重ねていくことは、スモールステップで成功体験を重なることにもなり、行動を起こすモチベーションになってきます。

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